「彼女」というアルバムに収録されている。
落ち着いたスローバラード。
全体的にノスタルジーな雰囲気が漂っている。
イントロからすでにノスタルジックだ。
サウンド面では、強烈なインパクトはないが、
しっとりしていて明るいセピア色のイメージ。

歌声もしっとり。歌詞を噛み締めゆったりと歌う。
ところどころ声を伸ばし、切なさを滲ませながら歌い上げる。
サビでは伸びのあるボーカルを聴かせ、複雑な感情を表現している。
音程の高低も激しい。
スキャットは間奏部分のみ。つぶやくように軽く歌っている。
最後のサビは、涙をこらえて歌ってるかのように聴こえる。

数秒だが伸ばしてる部分はいっぱいある。
裏声はサビで部分的に使われている程度。

歌詞は別れた恋人と偶然再会し、付き合っていた頃の思い出がよみがえったり、
別れてから今に至るまでの時間の流れを感じる。
ぎこちない距離とよそよそしい態度。
甘酸っぱく切なくて痛いあたしの心の中。
変わらないあなたのクセと、指に光る今の彼女の存在。
もう戻れない関係だけど、一緒に過ごした時間と思い出は
2人の中に生き続ける。
そして、別れてから立ち直って1人で歩んできた道。
あなたはあなたで新しい彼女と2人の道を歩む。
あなたが幸せなら、あたしもこれからずっと前を向いていけるはず。
そう涙ながら思う。

具体的でリアルな歌詞。小説のワンシーンをショートムービーにしたかのような。
主人公の心理描写も繊細に描かれている。
主人公はまだ彼のことを引きずっている感はあるが、
気持ちがバレないように、気付かれないように接している。
そして、彼のクセと指輪にも気付かないような素振りをする。
それが「気付かないように 気付かれないように」ってことだと思う。
主人公の視点で彼のしぐさが描かれているので、彼の胸の内ははっきりは
わからない。
続編というか、男目線での曲も聴きたいですね。

決して悲しいままで終わる曲ではないし、暗いバラードでもない。
昔を惜しんでも、過ぎ去った時間は帰ってこない。
今を生きるしかない。
好きな人、愛した人の幸せを願って前を向けるような、
背中を押してくれるような曲。


カラオケでは、歌いやすいと思います。
ただ伸ばす所が多いので、少し疲れるかも。
キーの低い部分はとことん低いし、キーの高い部分は大体地声だったりするので、
きつかったら裏声でも構わない。
メロディは覚えやすいし、スキャットも一部だけなので
あとはしっとりと感傷に浸って歌える。
気持ちが入るけれど、感情を剥き出しにするよりは抑えて歌うほうがいい。

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