振り返る。
「わかってたの」

未来が無いってわかってたの そんなの最初から
道を踏み外して 見えないはずの気持ちにまっすぐ飛び込んでいった
あなたの手を掴んだの
短い間だったけれど 2人きりで会ったあの時間は
正しく本物だから

例えあなたが忘れても 私は憶えてる
忘れるはずが無い
だってまぎれもなく好きだった 忘れないように焼き付けた

あなたがひとりで目を閉じてる間
私は窓から二つ星と朝日を見た
日をまたいで 朝を迎えた
2人しか知らないあの日のこと

長くは続かないってわかってたの あなたの言葉を信じても
身分も違う 年も違う 住んでる土地も違う
どうして一時でも繋がったのか 不思議なほどよ
あなたにぶつけた不満も 恋をしていた言葉も
今は全て幻になった

もう私から連絡はしない あなたのために
返事を待っているのも辛いの
あなたが誰を見ていて 誰を支えているのか知っているから

暗黙のさよなら いつか伝わって
別れ話をするような そんな関係ではないから
自然消滅が一番いいのよ 私たちは

私から会いに行けない 会いたいと言えない
声も聴けない 顔も見れない 触れられない
我慢して何度涙流したかしら
気持ちを閉じ込めて 何も期待しない方が楽だった

それでも時々思い出して 熱くなったり切なくなったりするけど
あなたの頭の中に私はもう浮かばないでしょう
浮かんでもあなたから会いにきてくれないでしょう

短い間だったけれど ありがとう そしてさよなら